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建築知識ブログ8|24時間換気ってなに?家族みんなが安心できる空気の話

近年の住宅は、気密性や断熱性が高くなり、少ないエネルギーで室内を快適な温度に保ちやすくなっています。

その一方で、昔の住宅のように隙間から自然に空気が入れ替わりにくいため、換気が十分でないと、湿気や二酸化炭素、建材から発散される化学物質などが室内にこもりやすくなります。

そこで欠かせないのが「24時間換気システム」です。

2003年の建築基準法改正以降、原則としてすべての住宅に24時間換気設備の設置が必要となりました。

今回は、「24時間換気って何?」という基本から、換気方式の違いや、家を建てるときに考えておきたい換気計画について、分かりやすくご紹介します。

 

このブログでわかること

  • 24時間換気とは?
  • 第1種換気と第3種換気の違い
  • 換気計画で大切なこと
  • 自分たちに合った換気方式の選び方
  • 24時間換気に関するよくある質問(Q&A)

 

24時間換気とは?

24時間換気とは、その名のとおり、機械を使って家の中の空気を24時間継続的に入れ替える仕組みのことです。

日本の住宅は、以前は風通しの良いつくりの住宅でした。しかし、省エネルギー化に向けて高気密、高断熱化が進み、新築住宅などで使われる建材などから放散される化学物質や室内のハウスダスト取り込んだ居住者に健康被害(眼、鼻、喉、皮膚の刺激症状、頭痛、倦怠感など)をもたらしました。これがいわゆる「シックハウス症候群」と呼ばれています。

これらを防ぐために、常に安定した計画換気をするよう建築基準法に制定されました。これがいわゆる24時間換気と言われています。現在の住宅では、原則として1時間に室内の空気の半分程度が入れ替わるように換気設備を計画します。

 

シックハウス症候群の対策だけでなく、24時間換気には、主に次のような役割があります。

24時間換気によって、室内にたまった湿気やにおい、二酸化炭素、建材や家具などから発生する化学物質を外へ排出しながら、新しい空気を取り入れます。空気を継続的に入れ替えることで、カビや結露の発生を抑え、建物を湿気から守る役割もあります。 

窓を開けることでも換気はできますが、天候や気温、住む人の生活によって換気量が変わってしまいます。特に冬は寒さから窓を開ける時間が短くなり、夏は冷房効率が気になるものです。

24時間換気は、窓の開け閉めだけに頼らず、家全体の空気を計画的に入れ替えるための設備なのです。

 

24時間換気にはどんな種類があるの?

24時間換気は、給気(=外の空気を取り入れること )と排気(=室内の空気を外へ出すこと )を機械で行うか、自然に行うかによって「第1種」「第2種」「第3種」の3つに分けられます。 

第2種換気は、給気を機械、排気を自然に行う方式で、外部のホコリなどが入りにくいため、主に手術室やクリーンルームで採用されていますが、住宅では内部結露につながる可能性があるため、一般的にはあまり採用されません。 

そのため今回は、住宅で多く採用されている「第1種換気」と「第3種換気」について、それぞれの仕組みや特徴をご紹介します。 

 

第1種換気とは?

第1種換気は、外の空気を取り入れる給気と、室内の空気を外へ出す排気の両方を機械で行う方式です。機械で給気と排気を行うため、家全体の空気の流れをコントロールしやすいことが特徴です。

また、第1種換気には「熱交換型」の設備もあります。

熱交換型換気とは、排出する室内の空気が持つ熱を利用して、外から入ってくる空気を室温に近づけてから取り込む仕組みです。

例えば、寒い冬に冷たい外気をそのまま取り込むのではなく、室内の暖かさを活用しながら給気できます。外気温の影響を抑えながら換気しやすいため、寒冷地や高気密・高断熱住宅との相性がよい方式です。一方で、性能を十分に生かすためには、適切な設計と定期的なメンテナンスが欠かせません。

第1種換気の主なメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。

快適性を高めやすい一方で、設置費用や電気代、定期的なお手入れも必要です。採用する際は、設備の性能だけでなく、導入後のメンテナンスまで考えて選ぶことが大切です。

 

第3種換気とは?

第3種換気は、室内の空気を機械で排出し、壁などに設けた給気口から自然に外気を取り入れる方式です。トイレや洗面所などに設置した換気扇で室内の空気を外へ出すと、その分の外気が給気口から入ってきます。仕組みが比較的シンプルで、住宅で広く採用されている換気方式です。

第3種換気の主なメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。

設置費用や消費電力を抑えやすい一方で、外気温の影響を受けやすく、給気口から入る冷気や花粉などが気になる場合もあります。ただし、給気口に適切なフィルターを設置し、家全体の空気の流れをきちんと計画することで、快適な換気は可能です。

「換気扇をつければよい」というわけではなく、住宅の気密性能や給気口の位置、部屋の使い方まで考えて計画することが大切です。

 

換気計画で大切なのは「空気の通り道」

換気を効果的に行うためには、「どこから空気を入れて、どこから外へ出すのか」を考える必要があります。

一般的には、リビングや寝室、子ども部屋など、家族が長く過ごす場所から新しい空気を取り入れます。そして、トイレや洗面所など、湿気やにおいが発生しやすい場所から空気を排出します。

また、空気の流れをつくるため室内ドアの下に隙間を設けたり、通気用の部材を取り付けたりすることもあります。給気口と排気口が近すぎたり、途中で空気の流れが遮られたりすると家の中に空気が入れ替わりにくい場所が生まれてしまいます。

 

HAL建築設計では、リビングや寝室だけでなく、廊下やクローゼットなども含めて、家全体の空気がどのように流れるかを考えながら換気計画を立てています。

間取りと換気は、別々に考えるものではありません。家族がどの部屋で長く過ごすのか、室内干しをするのか、収納には何をしまうのかなど、実際の暮らし方まで想像することが大切です。

目に見えない空気だからこそ、設計の段階でその通り道を丁寧につくる必要があります。

 

 

結局、どの換気方式がいいの?

第1種換気と第3種換気は、どちらか一方がすべての住宅にとって優れているというものではありません。

選ぶ際は、次のような条件を総合的に考えます。

  • 住む地域の気候
  • 住宅の気密・断熱性能
  • 初期費用と毎月の電気代
  • 冬の寒さや夏の暑さへの感じ方
  • 花粉やホコリへの対策
  • 掃除やフィルター交換にかかる手間
  • 将来の部品交換やメンテナンス費用

例えば、冬の寒さが厳しい地域で室温の変化をできるだけ抑えたい場合には、熱交換型の第1種換気が選択肢になります。一方、設置費用や設備のシンプルさを重視する場合には、第3種換気が合うこともあります。

HALでは、滞在時間や空調する時間が長いリビングなどを第1種換気、その他を第3種換気など1つの家で使い分けることもあります。家の性能、間取り、設備、暮らし方をひとつにつなげて考えることが、快適な換気計画につながると考えています。

 

24時間換気に関するよくある質問(Q&A)

Q1.24時間換気は、ずっと動かしておく必要がありますか?

A1.基本的には、常時運転することを前提につくられています。運転を止めたり給気口を閉じたりすると、湿気やにおいがこもり、計画どおりに換気できなくなることがあります。寒さや音が気になる場合は、停止する前に、給気口の位置や風向き、風量、フィルターの汚れなどを確認し、住宅会社へ相談しましょう。

Q2.窓を開ければ、24時間換気は必要ありませんか?

A2.窓を開ければ短時間で空気を入れ替えられますが、換気量は風の強さや天候、窓の位置などによって変わります。24時間換気は、窓を閉めている時間も家全体の空気を継続的に入れ替えるための設備です。窓開け換気とは役割が異なるため、併用して考えましょう。

Q3.フィルターはどのくらいの頻度で掃除しますか?

A3.お手入れの頻度は、設備の種類やメーカー、周辺環境によって異なります。まずは取扱説明書に記載された清掃・交換時期を確認しましょう。フィルターが詰まると換気量が低下します。交通量の多い道路沿いや、花粉・砂ぼこりの多い時期は汚れやすいため、こまめな確認が大切です。

 

さいごに

24時間換気は、普段はあまり意識することのない設備かもしれません。しかし、家族が毎日吸う空気と、建物を湿気から守るための大切な仕組みです。

「熱をできるだけ逃がしたくない」

「花粉の侵入を抑えたい」

「設備費やお手入れの負担を抑えたい」

何を重視するかによって、適した換気方式や設備は変わります。

大切なのは、設備の種類だけを比べるのではなく、住宅の性能や間取り、家族の暮らし方に合った空気の流れを考えることです。

 

HAL建築設計では、施主様との打ち合わせを重ね、間取りや住宅性能だけでなく、目には見えない空気の流れまで含めた住まいづくりを大切にしています。家づくりの過程で不安や疑問があれば、ぜひご相談ください。

ご家族が長く、心地よく暮らせる住まいづくりを丁寧にサポートします。

 

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