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古材を活用した店舗づくりで重視すべきポイント3選
現在、店舗オーナーや企業担当者の間で注目を集めているのが、古材を活用した空間づくりです。画一的な内装では表現できない温もりや個性を、古材は自然に演出してくれます。
特に、ブランドの世界観を大切にしたい店舗や、他店との差別化を図りたい飲食店・ショップ、サステナブルな姿勢を打ち出したい企業にとって、古材は単なる内装材ではなく、「想いを伝えるための素材」として選ばれています。
一方で、「雰囲気は魅力的だけど、実際に取り入れるのは難しそう」「メンテナンスや耐久性が心配」といった不安を感じる方も少なくありません。店舗空間に古材を取り入れるには、用途や導線、運営スタイルを踏まえた計画が重要になります。
そこで今回は、古材を活用した店舗づくりで押さえておきたい3つのポイントを分かりやすく解説します。
集客力やブランド価値を高める空間づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
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なぜ古材が店舗空間に適しているのかを解説
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古材導入で失敗しないための注意点がわかる
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差別化ポイントや仕入れ・コストの注意点がわかる
目次
古材が店舗空間にもたらす価値とは

古材は、ただの古い木材ではありません。年月を重ねてきた素材ならではの深みや質感は、空間に唯一無二の“物語性”を与えます。
新材では表現しきれない、あたたかみ・落ち着き・風格といった空気感が生まれるため、ブランディング要素としての価値も高いといえるでしょう。
特に店舗においては「空間=ブランド体験の一部」。古材はその体験価値を底上げする強力な武器となります。
素材に“ストーリー”があることでブランドが際立つ

古材の魅力は、何よりその「背景」にあります。
例えば、かつて酒蔵に使われていた梁材、古民家の床材、地元の寺社の柱など、どの古材にも“歴史”が刻まれています。
その素材にまつわるエピソードを空間設計に組み込むことで、店舗全体がストーリー性を持つ場に変わるのです。
特に飲食店やアパレルショップ、ギャラリーなどの業態では、「共感されるストーリーのある空間」こそが集客やリピートの鍵になることも。
商品だけでなく“空間そのもの”がブランドになる――
その設計戦略を可能にするのが、古材という素材なのです。
空間の印象を左右する「経年変化」の魅力
古材のもう一つの大きな魅力は、時間によってしか生まれない独特の風合いです。
日焼けや摩耗、シミやひび割れ、節の浮き出しなど、新材にはないランダムな表情が空間に「深み」と「味わい」をもたらします。

たとえば、まっすぐで白く均一な板材よりも、節や反りが残る古材のカウンターや梁のほうが“存在感”を感じるとお客様が語ることも少なくありません。
これは、見る人にとって「作られた感」がなく、自然に馴染んでいること=心地よさにつながっているからです。
また、経年変化の美しさは、店舗に“時を重ねる価値”をもたらす要素にもなります。
「長く愛される店にしたい」「時間を大切にするブランドをつくりたい」という意図があるなら、古材の自然な風合いは空間演出において非常に効果的です。
古材を使った店舗設計で重視すべき3つのポイント
古材を活用した店舗づくりは、空間の魅力を引き出す非常に効果的な手法です。ただし、「見た目がかっこいいから」といった感覚的な導入だけでは、施工後にトラブルになるケースも。

ここでは、必ず押さえておきたい3つの重要ポイントを紹介します。
古材活用で重要な3つの視点
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使用目的に応じた素材の選定
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古材ならではの施工対策・構造補強
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店舗コンセプトとの整合性を意識したデザイン
① 使用目的に合った素材選びをする

古材と一口に言っても、床・壁・天井・什器など使用する場所によって適した素材や加工の仕方は異なります。
たとえば、床材に使うなら「硬くて反りが少ない古材」、カウンターなど手が触れる部分には「ささくれが出にくく手触りが良い素材」、壁面演出には「風合いが強く個性のある古材」など、場所に応じた選定が不可欠です。
また、飲食店など衛生面が重視される業態では、塗装済みの古材や防虫・防腐処理された素材を使う必要もあります。
使用目的と素材の特性を踏まえ、「どこに・どんな古材を使うか」の選定こそが、店舗の営業を成功を左右するカギです。
② 古材ならではの施工・補強対策を考慮
古材は経年変化による魅力がある一方で、施工上の注意点も多く存在します。

中でも重要なのが、構造強度や取り付け方法の確認です。
古材には反り・割れ・節抜けなどの個体差があり、新材と同じ感覚で取り付けてしまうと、施工不良や事故の原因になることも。
とくに梁や柱に再利用する場合は、荷重への耐性や補強金具の設置が必要ですし、壁面への装飾用であっても「落下防止措置」や「下地補強」が必須です。
また、湿度による伸縮や乾燥収縮にも注意が必要ですので、設計段階から“素材のクセ”を理解した対策を組み込むことが求められます。
③ 店舗コンセプトと調和したデザイン
最後に、最も重要なのが「古材を使う意味を、空間全体のコンセプトとつなげること」です。
ただ古材を置いただけでは“雑多”な印象になってしまいかねません。
その空間にどんなブランドイメージを与えたいのか――「温もり」「歴史」「安心感」「先進性との融合」など、デザインに一貫性があるかが鍵になります。
たとえば、地元の古材を使って「地域とのつながり」をアピールする、古民家風の梁をモダンに組み合わせて「温故知新の世界観」を演出する、といった演出が有効です。
単に“かっこいい素材”ではなく、“世界観を伝える建材”として古材を位置付ける視点が、店舗としての価値を高めるポイントになります。
古材活用のメリットと導入時の注意点
古材を店舗に取り入れることで、デザイン性だけでなく、ブランド価値や話題性といった“空間の戦略的価値”を引き上げることが可能です。
ただし、施工や法規面などで見落としがちな注意点も多く、導入には十分な準備とプロの視点が必要です。
このパートでは、メリットを最大限に活かすために押さえておきたい注意点を整理してご紹介します。
コスト・衛生・法律面でのチェックポイント
古材の魅力は大きいですが、「古い=何でもOK」というわけではありません。
まず、価格について誤解が多いのが現状です。古材は一見リーズナブルに見えても、選定・補修・施工に手間がかかるため、結果的にコストが高くなるケースもあります。
また、飲食店や医療・福祉施設などでは衛生面の配慮が必須。カビ・虫害・ニオイの発生リスクがある古材は、適切な洗浄・処理・塗装を施さないと、営業許可に支障が出る恐れもあります。
さらに、建築基準法や消防法に適合しているかどうかの確認も不可欠です。特に壁面や天井への使用には不燃認定や安全基準をクリアする必要がある場合もあるため、設計段階での法的確認が非常に重要です。
デザイン先行で進めるのではなく、「使用場所」「施設の種別」「法的要件」をクリアした上で、古材を選ぶようにしましょう。
信頼できる古材の仕入れルートと提携先の選び方
古材の品質は「見た目」だけでは判断できません。適切な処理がなされているか、どのような経緯で入手されたものかが、空間の安全性と価値を左右します。
そのため、仕入れには必ず「信頼できる古材業者」や「実績のある古材ネットワーク」を活用することが重要です。
地域とのつながりを重視する場合は、地元の材木店や古民家再生事業者との連携が鍵となります。
こうした業者は、ストーリー性のある古材を提案してくれることも多く、ブランド価値の向上にも貢献します。
まとめ|古材は“空間価値”を高める戦略的な素材
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