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建築知識ブログ 2| 基礎って何?家づくりの安心を支える大切な「基礎」のお話
地盤調査、地盤改良が終わると、次は基礎工事がスタートします。
基礎は家の重さをしっかりと地面に伝え、地震や台風、地盤の変化から建物を守る役割を担う、とても大切な部分。
どんなに立派な家でも、基礎がしっかりしていなければ安心して暮らすことはできません。
今回は、基礎って何?どうして大事なの?という疑問を解決できるようわかりやすくお伝えします。
このブログでわかること
- 「基礎」って何?
- 基礎の種類について
- ベタ基礎と布基礎のメリット・デメリット
- 基礎に関するよくある質問(Q&A)
基礎って何?
基礎は、建物と地面の間に設けられる構造部分で、家全体を支える“台”にあたる部分になります。
役割は大きく分けて2つあります。
1.建物の重さを均等に地面に伝える
家は想像以上に重く、木造2階建てでも数十トン以上あります。この重さをバランスよく地盤に伝えないと、家が沈む「沈下」が起き、建物が傾いたり亀裂が入ったりする原因になります。
2.地面からの湿気やシロアリ、寒さを防ぐ
基礎は建物を地面から持ち上げる役割もあり、床下の通気や断熱、防湿、防蟻にも大きく関わります。
特に日本の気候は湿度が高いため、基礎が適切でないと床下に湿気がこもり、カビや木材の腐食を招く恐れがあります。
つまり、基礎は**「安全」と「快適さ」を両立させる見えない守り役**なのです。
基礎の種類について
基礎にはいくつかの種類があり、地盤の強さや建物の構造によって適した方式を選びます。
今回は、日本の木造住宅でよく採用される2つをご紹介します。
【1】ベタ基礎
ベタ基礎は、建物の下の地面全体を「鉄筋コンクリートの板」で覆う構造です。
イメージとしては、大きな鉄筋入りのコンクリートの“お盆”の上に家を建てる感じです。
地盤が弱めの場所や耐震性重視の住宅に向いています。
主な構造要素
1.底板(スラブ)
厚さ15cm程度のコンクリート板で、家全体の重さを面で受け止めます。
この板の中には鉄筋が格子状に組まれ、強度を高めています。
2.立ち上がり部分
建物の壁や柱の下に沿って、垂直に立ち上がるコンクリート部分。
ここも鉄筋入りで、建物の柱や梁、構造を支えます。
3.アンカーボルト
コンクリートから飛び出た、金属製の棒になります。この棒を木材に通して、上部の構造と基礎を緊結します。
このボルトを適切に入れないと地震により家が基礎から落ちてしまう現象が生じます。
【2】布基礎
布基礎は、建物の柱や壁が載る部分だけを「コンクリートの枠組み」で作る構造です。
上から見ると、建物の間取りに沿って“コンクリートの線”で四角く囲ったような形になります。
地盤がしっかりしている場所や、比較的軽量な建物に向いています。
主な構造要素
1.フーチング
建物の基礎にかかる荷重を地盤に分散させるために、基礎の底部を幅広くした部分になります。
地盤の支持力を高め、建物の沈下や倒壊を防ぐ役割を果たします。
2.立ち上がり部分
フーチングの上に垂直に立ち上がるコンクリート部分で、柱や梁の構造を直接支えます。
3.アンカーボルト
コンクリートから飛び出た、金属製の棒になります。ベタ基礎同様、基礎と上部の構造を緊結する役割を果たします。
布基礎の方は中央に地面が見えるのが、わかりますでしょうか?
ベタ基礎と布基礎の違いは、地面に接する部分が底板(スラブ)かフーチングかの違いになります。
ベタ基礎は全体を底板(スラブ)の面で支えるイメージ
布基礎は全体をフーチングの輪で支えるイメージです。
例えるならベタ基礎はボート、布基礎は浮き輪になります。
布基礎のフーチングは、土で埋めてしまいますので、仕上がりは下図のようになります。

ベタ基礎と布基礎のメリット・デメリット
それぞれに得意な点と注意すべき点がありますが、地盤の状態、建物の構造、地域の気候などによって向き・不向きが変わります。それぞれの特性を見ていきましょう
| ベタ基礎 | 布基礎 | |
| メリット | ・建物全体を面で支えるため、不同沈下(傾き)に強い
・耐久性に優れている ・地面がコンクリートで覆われているため地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぎやすい |
・必要な部分だけにコンクリートを使うため、材料費や工事費を抑えやすい
・施工期間はベタ基礎より数日程度短いことがある |
| デメリット | ・コンクリート量が多く、施工コストはやや高い
・施工期間は布基礎より数日長くなることもある |
・支持力はベタ基礎よりは劣る
・不同沈下(傾き)が起きた場合に、基礎が割れ、部分的に沈下しやすい。 ・中央は地面になるため、地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぎにくい |
基礎に関するよくある質問(Q&A)
Q1.なぜ基礎について知っておく必要があるの?
A1. 基礎の種類自体は構造計算により、建築士が判断しますが、暮らし方や不安点を伝えることで、その要望を叶える工夫を盛り込むことができます。基礎に限らず、「夏涼しく、冬暖かい家がいい」「湿気が心配」「メンテナンスのしやすさも重要」などのご要望は事前に共有することをお勧めします。
Q2. 基礎はベタ基礎と布基礎のどちらが良いですか?
A2. 一概には言えません。地盤の強さ、建物の構造、コストバランスによって最適な方法が変わります。最近は耐震性や防湿性を重視してベタ基礎が多いですが、布基礎が適しているケースもあります。HAL建築設計では、設計の段階で施主様に基礎について説明を行っています。採用した基礎とその理由をお伝えし、最良の提案をさせていただきます。
Q3. 基礎はメンテナンスが必要ですか?
A3. 基礎自体はコンクリートで非常に耐久性がありますが、経年劣化やひび割れが発生する場合があります。大きなひび割れが見られる場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。
さいごに
ベタ基礎にも布基礎にも、それぞれ特徴があります。
「こちらが絶対に正解」というわけではなく、建てる場所の地盤、家の構造や大きさによって最適な選択は変わります。
大切なのは、基礎の種類ごとの特徴を理解したうえで、建築士や施工会社としっかり相談し、長く安心して暮らせるお家をつくることです。
家づくりの過程で不安や疑問があれば、ぜひHAL建築設計へご相談ください。あなたの家づくりを丁寧にサポートします。
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