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軒の深い家が人気の理由とは?暮らしを快適にする驚きのメリット3選

「家を建てるなら、見た目より“住み心地”を大事にしたい」
最近、そんな考え方の人が増えています。中でもひそかに注目を集めているのが“軒の深い家”です。

日差しを遮り、雨から守ってくれる軒の出。
実はこの「ちょっとした屋根の張り出し」が、暮らしやすさや家の寿命に大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?

本記事では、「軒が深い家って実際どうなの?」と気になっている方のために、
軒の深い家が持つ3つの大きなメリットを、実際の施工事例を交えてご紹介していきます。

読み終わる頃にはきっと、「軒が深い家、なんかいいかも…」と思っているはずです。


この記事のポイント

  • 軒の深い家とは何かをわかりやすく解説

  • 暮らしを快適にする3つの実用的なメリットがわかる

  • 事例で住まいを具体的にイメージできる


目次

軒の深い家とは?基本をわかりやすく解説

軒

「軒の深い家」と聞くと、どこか“昔ながらの家”をイメージするかもしれません。
ですが、実は今、この軒の深さが現代の暮らしにこそぴったりなメリットを持つ存在として見直されているんです。

軒とは、屋根が外壁よりも外に張り出している部分のこと。
「深い」というのは、この張り出しが大きい家ことを指します。
雨や直射日光から家や人を守り、快適な中間領域を生み出すのがその役割です。

では具体的に、どんな効果があるのか?詳しく見ていきましょう。

軒の深さとは具体的にどの部分?

家の屋根を見ると、外壁から少し飛び出している部分がありますよね。
この「屋根のひさし」が軒(のき)です軒の“深さ”とは、そのひさしの張り出しの長さを指します。

建築的には「軒の出(のきので)」とも呼ばれ、一般的な住宅では30〜60cmほどが標準的な深さですが、
深い軒になると90cm以上にすることもあります。

軒

なぜ軒が深いと良いのか?日本の気候との相性

日本は四季がはっきりしており、夏は猛暑、冬は寒さが厳しく、梅雨や台風もあります。
この多様な気候に対応するためには、「軒」という存在がとても有効です。

特に夏。日差しが高くなる時期には、軒が日射をしっかり遮ることで、室内の温度上昇を防ぎます。
逆に冬は太陽の角度が低くなるため、軒の下を太陽光が通り抜けて暖かさを取り込める。
これは“パッシブデザイン”と呼ばれ、エアコンに頼らず自然の力を活かした設計手法です。

また、雨の多い日本では、軒があることで玄関先や窓辺が濡れずに済むのも大きな利点。
濡れた外壁は劣化が進みやすいため、軒のある家はメンテナンス性にも優れていると言えます。

このように、軒の深さは見た目のデザイン性だけでなく、日本の気候に“合理的に合った構造”なのです。

暮らしを快適にする軒深い家のメリット3選

軒の深い家が人気の理由は、単なるデザインの美しさだけではありません。
実際に住んでみると、「これはいい…!」と実感できるリアルな快適性が詰まっているのです。

ここでは、数あるメリットの中から特に実感しやすい3つをピックアップ。
「暑さ対策」「雨の日の使い勝手」「家の長持ち」に注目しながら、わかりやすく解説していきます。

軒

メリット① 夏の直射日光を遮って室温上昇を防ぐ

「エアコンが効かない」「窓際が暑すぎる」
そんな悩み、夏場になると多いですよね。実はその原因のひとつが、窓から差し込む直射日光なんです。

軒が深い家では、この直射日光を屋根の張り出しがしっかりブロックしてくれます。
特に南向きの窓は日射の影響を受けやすいですが、軒があることで日陰をつくり、室温の上昇を抑えることができます。

これは冷房効率にもつながり、省エネや電気代の削減にも貢献。
まさに“自然の力で涼しく暮らす”ための知恵なんです。

メリット② 雨の日も安心、外とのつながりが生まれる

軒の深い家に住んでいる人からよく聞くのが、「雨の日の快適さ」
玄関先で傘を開いたり閉じたりするちょっとした動作でも、深い軒があると濡れずに済むんです。

また、リビングとつながるウッドデッキやポーチ部分が雨に濡れにくくなることで、
天気を気にせず外との中間空間を楽しむ暮らしができます。

たとえば、子どもが軒下でシャボン玉をしたり、ペットが外と行き来しやすかったり。
暮らしの中に「もう一つの部屋」が加わったような感覚に。

軒

メリット③ 外壁や窓が長持ちしてメンテナンスコストも削減

意外と見落としがちですが、軒の深さは家を長持ちさせるという大きな役割も担っています。
深い軒があることで、雨風が直接当たりにくくなり、外壁やサッシが劣化しにくくなるのです。

特に台風や梅雨時期の多い地域では、これが大きな違いに。
結果として、外壁塗装や補修の回数が減り、10年・20年後の維持費に差が出ることも珍しくありません。

また、窓ガラスや網戸も汚れにくく、掃除の回数も減るので、日々の手間も軽減されます。

実例でわかる!軒深い家の魅力を施工事例で紹介

ここからは、実際に「軒の深い家」を建てた事例をご紹介します。
いずれも福島県を拠点に設計・施工を行っているHAL建築設計さんによる住宅です。

デザイン性と機能性を両立した家が、どのように軒の深さを活かしているのか。
「なるほど、こういう形があるんだ!」と、きっと参考になるはずです。

広さと開放感を生かしたLDK「サーファーズハウス」

施工事例

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サーフィンが趣味のご夫婦が建てた、店舗併用住宅。
特筆すべきは、28帖のLDKと大きなカバードポーチによる圧倒的な開放感です。

このポーチ部分はまさに軒が深い設計で、雨や強い日差しを防ぎながら、外の空気を感じる贅沢空間
玄関まわりも屋根でしっかり覆われているため、雨の日の出入りも快適です。

イベントもできる「スピーカー工房」は軒の深さが活躍

施工事例

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音響にこだわるスピーカー製作工房。
外観は片流れ屋根+深い軒の組み合わせが印象的で、雨の日でも人の出入りがスムーズ。

屋外イベントや展示にも対応するため、軒の出をしっかりと設計することで、機能性とデザインを両立。
中の音響空間とのバランスも考えられた設計です。

和モダンと軒の深さが融合「オールインワンリビングの家」

施工事例

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落ち着いた和風テイストを取り入れた和モダン住宅。
リビングに面した軒の深い外観は、内と外のつながりを自然に感じられる工夫が盛り込まれています。

窓の外には、軽く腰を下ろせるポーチ空間も。
軒が深いことで雨の日でも快適に過ごせるだけでなく、リビングが一層広く感じられる視覚的効果も生まれています。

家族をつなぐ遊び心ある空間「家族がつながる家」

施工事例

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「ワクワクする家にしたい」というご夫婦の希望から生まれた、遊び心満載の住まい。
土間やオーダー家具が特徴的ですが、外観の軒の深さにも注目です。

リビングに直接つながる玄関や、庭との連続性を高める設計において、軒が生活の幅を広げる役割を果たしています。

軒が深い家に向いている人・建て方のコツとは?

軒が深い家は、「誰にとっても理想的」と思われがちですが、実は特に向いているライフスタイルや地域があります。
また、設計時にちょっとしたポイントを押さえるだけで、メリットを最大化し、デメリットを回避することもできます。

ここでは、軒の深い家が向いている人の特徴と、建てるときに意識したい3つのコツをご紹介します。

軒

どんな人におすすめ?家族構成や暮らし方別に紹介

軒の深い家は、さまざまな家族のスタイルにフィットしますが、特に以下のような人たちにおすすめです。

  • 共働き家庭・子育て世代
     → 雨の日でも子どもや荷物の出入りがラク。急な天気の変化にも対応しやすい。

  • アウトドア好きのご家族
     → 軒下でBBQ、DIY、子どもの遊びスペースなど、多目的に使える「屋外リビング」が作れる。

  • 高齢者との同居や介護を考える家庭
     → 雨の日でも滑りにくい出入り口を確保しやすく、安全性が高い。

  • メンテナンスコストを抑えたい人
     → 外壁やサッシの劣化を抑えることで、10〜20年単位でコストの差が出てくる。

軒

設計で失敗しないために知っておくべき3つのこと

軒の深い家はメリットが多い反面、設計時の配慮がないと逆効果になってしまうことも。以下の3点には特に注意が必要です。

  1. 光の入り方に注意
     → 軒が深すぎると冬場に光が入らず、暗く寒くなりがち。太陽の角度を考慮して設計することが大切です。

  2. 通気性の確保
     → 軒で囲われることで風通しが悪くなるケースも。高窓や通風窓を上手に組み合わせましょう。

  3. 建築コストとのバランス
     → 軒を深くするには構造的な補強が必要になることもあるため、予算との兼ね合いをしっかり検討。

軒が深い家で後悔しないために知っておくべきこと

軒の深い家にはたくさんのメリットがありますが、必ずしも万能ではないというのも事実。
住んでから「思っていたのと違った…」と後悔しないために、事前に知っておきたい注意点もあります。

ここでは、軒深住宅にありがちな落とし穴と、他の住宅スタイルとの違いについて解説します。

軒

軒が深い=いいことばかり?デメリットもチェック

軒の深い家には魅力がたくさんありますが、設計を間違えると逆にストレスになることも。

たとえば、深すぎる軒は「日当たりの悪さ」や「暗さ」につながることがあります。
また、建物の構造によっては屋根の補強や追加費用が必要になる場合もあり、コスト増につながるリスクも。

加えて、敷地が狭い場合には軒の出によって建築面積が圧迫されるという問題も。

軒

軒ゼロ住宅との違いは?どっちが合うか判断する基準

最近は「軒ゼロ住宅」も人気ですが、軒が深い家とはまったく異なるコンセプトを持っています。
それぞれに良さがあるので、自分のライフスタイルに合う方を選ぶことが大切です。

比較項目 軒深い家 軒ゼロ住宅
日射遮蔽 ◎ 夏に涼しい △ 遮るものがない
デザイン性 和モダン〜自然派 スタイリッシュ・ミニマル
メンテナンス性 ◎ 外壁が汚れにくい △ 雨だれや劣化が出やすい
コスト △ やや高めになる傾向 ◎ シンプル構造でコスト抑制可
雨・雪対策 ◎ 安心感あり △ 地域によって注意が必要

まとめ:軒の深い家がもたらす“静かな快適さ”を暮らしに

軒

この記事では、「軒が深い家」に焦点を当て、快適さを支える3つの大きなメリットを紹介しました。
日差しをコントロールし、雨をしのぎ、外壁を守ってくれる軒の存在は、見た目以上に暮らしの質に大きな影響を与える構造です。

さらに、実際の施工事例を通して、軒が深いことで生まれる「中間領域のある暮らし」の豊かさもご覧いただきました。

もちろん、採光やコストといった面での注意点もありますが、それを丁寧な設計と計画でカバーすることで、長く快適に暮らせる家になります。

「毎日をちょっと心地よくしてくれる」
そんな静かな快適さが、軒の深い家にはあります。

家づくりを考えるなら、一度は「軒の深さ」にも目を向けてみてください。
そこには、見た目以上に本質的な心地よさがあるかもしれません

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