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古い店舗をリノベーションで地域に愛されるお店を作る方法

「この建物、古いけれど雰囲気があって、なんだか好き」
そんな声が聞こえる店舗って、実はとても強いんです。
新築にはない味わいを持つ“古い店舗”を、リノベーションで魅力的に生まれ変わらせ、地域に愛されるお店として根付かせる。この方法は、コストを抑えつつ、唯一無二の空間を生み出す現実的な選択肢でもあります。

とはいえ、「何から始めればいいの?」「失敗したらどうしよう…」と不安になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、地域に根ざしたお店づくりを目指す方に向けて、具体的なアイデアと事例をもとに、リノベーション成功の道筋を丁寧に解説していきます。


この記事のポイント

  • 古い店舗ならではの魅力や強みをどう活かすかがわかる

  • 地域とつながる店舗運営のコツを事例ベースで解説

  • 失敗しないための物件選びと空間づくりの工夫が学べる


目次

古い店舗リノベーションの魅力とは?

古い 店舗 リノベーション

「古くなった建物を使うのって、不安じゃない?」
そう思う方もいるかもしれません。でも実は、“古い店舗”だからこそ生み出せる魅力がたくさんあるんです。

例えば、新築よりも費用を抑えやすく既存の構造を活かせるため工期も短く済むケースが多い。さらに、古民家や築年数の経った物件ならではの味わい深い外観や内装は、地域の人々にとっても親しみやすく、「あのお店、いいよね」と言ってもらえる空間づくりが可能です。

ここでは、そんな“古いからこそ価値がある”店舗リノベーションのメリットを、事例やデザインの観点から徹底解説していきます。


新築よりリノベが選ばれる理由とは?

新築店舗と比較して、なぜ古い物件のリノベーションが注目されているのか?
その答えは「費用」「スピード」「立地」にあります。

まず、費用面。新築でゼロから建てるとなると、設計・建築・設備工事などあらゆるコストがかかります。一方、既存の建物をリフォーム・リノベーションすれば、構造部分や一部設備を再利用できるためコストダウンが可能です。特に水道・電気・ガスなどの配管設備がそのまま使える物件は、施工費用を大きく抑えられる傾向にあります。

次に工期の短さ。スケルトンからの新築は、設計から施工完了まで数ヶ月〜半年以上かかるのが一般的。しかし、既存物件をベースにすれば解体・施工の工程が簡略化され、数週間〜1ヶ月程度で仕上がることもあります。「時間をかけずに開業したい」という方には、特におすすめです。

そして3つ目は立地の選択肢が広がる点。都市部や人気の商店街では、新築で出店できるスペースは非常に限られています。しかし、古い空き店舗なら好立地でかつ賃料も抑えめの物件が見つかることも多い。これは新規開業者にとって大きなチャンスです。

このように、コスト面・スピード・場所の選びやすさなど、リノベーションには新築にはない現実的なメリットがたくさんあります。

古い 店舗 リノベーション


古い建物がもつ味や個性をどう活かす?

古い建物には、新築では再現できない「空気感」や「雰囲気」があります。
たとえば、むき出しの梁や柱、味のあるタイルや床材、経年によって味わいが増した外壁などは、店舗の“世界観”を形作る素材としてとても魅力的です。

リノベーションではこうした既存の素材をあえて残すことで、ヴィンテージ感のあるカフェやレストランなど個性の強いお店づくりが可能になります。これは住宅リフォームとは異なる、商業施設ならではの設計の面白さともいえるでしょう。

さらに、古民家リノベのように地域の記憶を引き継いだ空間にすることで、開業後すぐに「ここって昔〇〇だったよね!」と地元のお客様との会話が生まれることも。これはまさに、地域密着型店舗の強みです。

もちろん、老朽化や断熱性・設備面の弱点はプロの施工会社による適切な対応が必須ですが、そこさえ押さえれば、“古さ”を“魅力”に転換できるのがリノベーションの面白さです。

結果として、他店との差別化がしやすく、お客様に「また来たい」と思わせる要素のひとつとなるわけです。

古い 店舗 リノベーション

地域に愛される店舗に共通する3つのポイント

おしゃれな内装やおいしいメニューだけでは、地域に長く愛されるお店にはなりません。
実際に多くの店舗リノベーション事例を見ていると、地域とのつながりを意識した“3つの要素”をしっかり押さえているお店ほど、安定した売上と支持を得ている傾向があります。

以下の3つが、地域密着の成功店に共通するポイントです。

  • 人とのつながりが見える“顔のある店”であること

  • 地域イベントや活動に積極的に関わっていること

  • お客様の声を柔軟に反映できる運営方針であること

古い 店舗 リノベーション


地元との関係を築く「顔が見える店」とは?

リノベーションによって生まれ変わった店舗でも、「誰がやっているのかわからないお店」では、人は入りづらいものです。
特に地域密着型でやっていくなら、“顔が見える店”にすることが大切です。

具体的には、スタッフの写真やストーリーを店内に掲示したり、「○○さん、こんにちは!」とあいさつが交わせる距離感を大切にすること。オーナーが店舗の前で掃除をしていたり、カフェならカウンター越しに自然な会話が生まれたりするだけでも、お客様との関係性は大きく変わります

こうしたコミュニケーションの積み重ねが、「あそこに行けば、あの人に会える」と地域の人の“日常”に溶け込む要素になります。
リノベーションは空間を整えるだけでなく、人と人の関係を築く土台にもなるのです。


イベントや地域活動との連携方法

「自分のお店だけで完結しない」ことも、地域密着型の店舗経営には重要です。
周囲とつながりを持つことで、自然と来店の“理由”が生まれるのがポイント。

以下のような地域と関わるイベントの企画・参加は特に効果的です。

  • 商店街の季節イベント(七夕祭り・秋祭りなど)への協賛・出店

  • 店舗内でのワークショップ開催(例:DIY教室・地域食材の料理体験)

  • 子ども向けイベント(お絵描き大会・紙芝居読み聞かせなど)の開催

  • 地元作家の作品を展示・販売する「地域ギャラリー」の開設

  • 近隣学校・施設とのコラボイベント(学園祭との連携など)

このような取り組みは、単なる集客以上に「地域のコミュニティハブ」として店舗の存在価値を高める効果があります。
結果的に、来店頻度の向上や口コミ効果にもつながるという点でも非常に有効です。


お客さんの「声」を反映する運営術

長く愛されるお店には共通して、「お客様と一緒にお店を作っている」感覚があります。
それを可能にするのが、お客様の声をきちんと拾って反映する工夫です。

たとえば、アンケートやSNSのコメント欄で集めた声を、定期的に商品やサービスに反映する
「常連さんからのアイデアで季節限定メニューを作った」「トイレの改善要望をすぐ対応した」など、目に見える変化があると、お客様の信頼感は一気に高まります

また、お客様の声に応える姿勢を店内POPやインスタ投稿などで紹介すれば、「相談しやすいお店」「気軽に関われる場所」としての認知も広がりやすいです。

リノベーションで魅力的な空間を作ったあとこそ、こうした“運営の柔軟性”が成功を大きく左右するポイントになります。

古い 店舗 リノベーション

空き店舗選びで失敗しないための5つの視点

「どの物件を選ぶか」でリノベーションの成功・失敗は8割決まるとも言われます。
施工やデザインにいくらこだわっても、物件選びを間違えると全体の計画が崩れてしまうことも。
ここでは、空き店舗リノベーションを考えている方が事前に必ず確認しておきたい5つの視点を紹介します。

  • 建物の構造と築年数(耐震性・断熱性・老朽化の確認)

  • 立地と人通り(商圏分析や来店動線)

  • 法的条件(用途地域、建築基準法、改装制限)

  • 設備の状態(給排水・電気容量・ガス設備の有無)

  • 原状回復や契約条件(退去時の費用・改装範囲の制限)

これらを事前にしっかり調査することが、予期せぬ費用やトラブルを回避するカギになります。


給排水や電気容量のチェック項目

古い 店舗 リノベーション

見落とされがちですが、リノベーションの成否を大きく左右するのが「設備の状態」です。
とくに飲食店・美容室・カフェなど水回りや電力を多く使う業種
では、給排水や電気容量の確認は必須項目となります。

以下は、物件見学や契約前に確認しておきたいチェックポイントです。

  • 給排水管の老朽化状態:サビ、腐食、水漏れ跡がある場合は交換必須。

  • トイレやキッチンの設置可能スペース:配置できる場所や配管の引き回しがスムーズかどうか。

  • 電気容量(ブレーカーの容量):業務用機器を使うなら30A以上、業種によっては100A以上必要なケースも。

  • ガスの有無・種類:都市ガスかプロパンかで機器の選定も変わる。

  • 排気・換気設備の設置可否:カフェ・レストランでは排煙設備の確保が特に重要。

こうした“見えにくいけれど重要な部分”に問題があると、想定より大幅に費用がかかる可能性もあります。
専門の施工会社に
事前調査を依頼することを強くおすすめします。

成功事例から学ぶ!古い店舗リノベの工夫

実際に成功しているリノベーション事例を見ると、「なるほど!」と感じるアイデアや工夫がたくさん見つかります。
ここでは、既存の建物を活かしつつ、新しい価値を加えて成功した2つの事例をご紹介
デザイン・施工・ブランディングの視点から、リノベーションで地域に根ざした店づくりを実現したポイントを見ていきましょう。


事例①:水まわりの専門店のリノベーション事例

古い 店舗 リノベーション

倉庫の一角に、事務所と打合せスペースを区画分けして計画した事務所フルリノベーション。
内装は床・壁・天井共、合板仕上げに統一しています。

コミュニティスペースを設け、ワークショップ、小規模開催のセミナーなどで一般の方もご利用いただけます。
フリー Wi-Fiがあるので出先でのお仕事なども可能です。

造作で仕上げたキッチンは、寸法の自由度が高いので、使い勝手をお客様の好みに合わせて製作できます。

既存の構造を残しながらも、梁や床材などの素材を丁寧に活かし、温かみのある雰囲気と清潔感ある空間を両立
照明やカウンターの配置など細部にも配慮されており、「専門性×親しみやすさ」を兼ね備えた空間が実現されています。
水まわりという実用性の高いサービスを「感性」に訴える空間へと昇華させた好例です。

「住宅リフォーム」や「小規模施工」の相談先として、“見た人の信頼を勝ち取る”空間演出が大きな成功要因となっています。

▶︎施工事例はこちら


事例②:スープカリー伊藤市郎商店の温故知新リノベ戦略

古い 店舗 リノベーション

「懐かしさ」と「新しさ」が共存する空間を目指してリノベーションされたのが、南相馬市の「スープカリー伊藤市郎商店」の事例です。

元々、洋菓子店だった蔵造り風の建物をフルリノベーション。空き店舗を活用しながら、梁や柱の素材感を“あえて残す”ことで、ノスタルジックな雰囲気を演出

また、外観は目を惹くイエローの外観とグリーンのシェード。、近隣住民からの好感度も高くなるよう配慮されています。
「長くこの場所にあってほしい」と思わせる、地域に根ざした店舗の理想形と言えるでしょう。

▶︎施工事例はこちら

集客に差がつく!デザインと導線の工夫

せっかく空間や内装にこだわっても、「入りにくい」「何の店かわからない」と思われてしまっては、お客様は来てくれません。
店舗リノベーションでは、集客を意識したデザインと導線設計が極めて重要です。

ここでは、来店を自然に促す外観の工夫と、快適に過ごしてもらえる店内の“動きやすさ”を両立するためのポイントを紹介します。


入りたくなる外観づくりのコツ

古い 店舗 リノベーション

第一印象で「ここ、ちょっと気になる」と思わせられるかどうかが、来店を左右する大きなポイントです。
とくに古い店舗をリノベーションする場合は、“古さ”をどう魅力に変えるかが鍵になります。

以下のような外観デザインの工夫を取り入れることで、「入ってみたくなる店構え」を実現できます。

  • ロゴやサインの見やすさ:何の店かわかることが第一。カフェや美容室など業種を明示する表記は必須。

  • ファサード(正面)の素材感:木・レンガ・塗り壁など、温もりある素材を使うと印象が柔らかくなります。

  • 照明の設置:夜でも安心して入れるよう、入口や看板まわりに間接照明を。

  • ガラス面の活用:中の雰囲気が見えると安心感が増し、来店のハードルが下がります。

  • 植栽や雑貨のディスプレイ:小さな緑やアイテムがあるだけで“生活感”と“こだわり”が伝わります。

こうした外観の工夫で、「なんだか良さそう」とお客様の足を自然と引き寄せる店舗をつくることが可能です。


回遊しやすい店内レイアウトとは?

古い 店舗 リノベーション

お客様がストレスなく店内を移動できるレイアウトは、滞在時間や購入率の向上にも直結します。
とくに改装やリノベーションの際は、既存の構造や柱をどう活かして“動きやすさ”を設計するかが重要です。

基本の考え方は、「入口から出口までの動線をスムーズにすること」。
たとえばカフェであれば、入口→注文→席→トイレ→出口という一連の流れに沿って、お客様が迷わず自然に動ける配置が理想です。

また、以下のような工夫もポイントになります:

  • 通路幅は最低でも80〜90cm確保:ベビーカーや車椅子でも安心して通れる広さ。

  • 什器や家具の配置は“L字”や“U字”がおすすめ:自然に視線と動きが誘導されます。

  • 視線の抜けを意識する:背の高い棚や壁を使いすぎず、空間に広がりを持たせる。

  • 滞在エリアと通過エリアを分ける:滞在したい人と、さっと買って帰る人の動きが交差しないように。

このように、導線設計は「居心地の良さ」と「売上」の両方に影響を与える重要要素
おしゃれな内装とセットで考えることで、機能性と感性を両立した理想的な店舗づくりが可能になります。

まとめ:古い店舗を活かすという選択が、地域とのつながりを生む

古い 店舗 リノベーション

「古い=使えない」と考えるのは、もったいない。
本記事でお伝えしたように、古い店舗には新築では得られない強みがあります。梁や壁、素材の一部を活かしたリノベーションによって、唯一無二の雰囲気を持つ店舗空間が生まれるのです。

そして、それは単なる内装の工夫にとどまらず、地域と深くつながる店舗運営へとつながります
地元との関係性を築き、イベントやお客様との対話を大切にすることで、自然と「また行きたい」「あそこがいいね」と言われるような店へと育っていきます。

もちろん、物件選びや導線設計、予算管理など、気をつけるべきポイントも多く存在します。
ですが、それらを一つずつ丁寧に確認しながら計画を進めれば、古い建物に新たな価値を吹き込むことは十分可能です。

これから店舗リノベーションを検討しているあなたにとって、この記事が確かな道しるべとなれば幸いです。
「地域に愛されるお店」は、デザインと運営、そして思いの積み重ねから生まれます。

店舗のリノベーションについてはHALにご相談ください!

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